2020.07.31 07:10:03


 全国有数のスイカ産地、山形県。4日前までは、尾花沢スイカの鮮やかなしま模様が整然と畑に並んでいたが、氾濫した最上川の濁流が押し寄せ、畑が冠水した。30日、やっと水が引いた畑に農家が足を踏み入れると、そこには茶色に粉吹いた球体が転がっていた。

 大石田町の芳賀哲雄さん(70)は1ヘクタールのスイカ2000株が被害に遭った。収穫1日前だった。「全滅。手間暇かけて育てたのに、悔しい」とこぶしを握る。28日夜から避難したが、畑が心配で1時間ごとに見に来た。午前2時に畑が冠水しているのを見て「場所を間違えたかと思うほど変わり果てていた」。予想を超える水位に、膝から崩れ落ちた。スイカに関わり半世紀、初めての体験だという。

 ハウスの骨は折れ、ビニールは破けた。農機も浸水。片付けは1カ月以上かかる見通しだ。病虫害発生の恐れがあるため早急に作業を進めたいが、30日は気温30度近くに上り、じりじりと肌を焼いた。泥は乾いて固まり、思うように進まない。

 芳賀さんは畑の一部でオーナー制度を取り入れ、会員は地元から県外まで幅広い。被害を聞き、手伝いに来た人もいた。厳しい状況ながらも「来年に向け、畑の復旧を目指す」と前を向く。

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