2020.07.02 07:10:05


 農水省は1日、農林水産業と食品産業で作業安全のために日常的に取り組む共通規範を決めた。同日開いた有識者会議で了承された。国民への意見募集と並行し、農業や林業など業種ごとの具体策を書き込んだ個別規範を12月までにまとめる。個別規範の実践は来年度から補助事業の要件として取り入れ、現場への普及を目指す。

 共通規範は、(1)経営者と従事者全員が人命と作業安全を最優先する(2)安全確保を経営発展の要と位置付ける(3)安全対策を実践する(4)補償や救難体制づくりで事故発生に備える──の四つが柱。項目ごとに解説を付け、実践する意味や経営上の利点も明らかにした。

 作業環境の改善、事故情報の収集など具体的な安全対策は、業種ごとの個別規範で定める。農業分野の案には、現場で守る手順として、農業生産工程管理(GAP)などによる第三者チェックも書き込まれた。農水省は、現場の従事者に分かるよう具体例を書いた解説集を作る方針だ。

 規範に法的拘束力はない。農水省は普及のため、補助事業で安全対策の実施を要件にする。規範はポスターにして現場に掲示し意識付けする他、業種別の個別規範をチェックシートにし、日常の点検に活用する。

 会議では、委員から優れた工夫をする事業者への認証や表彰を求める意見があり、農水省も検討するとした。農業は個人経営が多く安全講習を受ける機会が少ない。そこで自動車運転免許更新時の講習のように現場の従事者が定期的に講習を受ける仕組みも検討する。

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